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心房細動について

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心房細動は不整脈の一種であり、動悸を始めとする様々な症状が出現します。 症状が無い場合もありますが、 脳梗塞や心不全の原因となるなど危険性も高い不整脈ですので早期発見、早期治療が大切です。

当院では心房細動の治療を積極的に行っております。気になる方はぜひご相談下さい。
心房細動の詳細については下記にまとめておりますので一読頂くようお願い致します。



@正常な心臓の働き

心臓の一番大切な働きは、全身の臓器に血液を送り出すポンプの役目であり、 酸素と栄養をたくさん含んだ血液(動脈血)を全身の臓器に配分することです。
心臓の収縮は、1分間に約50〜80回程度ありますが、状況に合わせて調節されます。 こうした心臓の収縮速度を調節しているのは右心房にある「洞結節」という部分で、 ここから出た電気刺激は最初に心房全体へ伝わり、続いて順序よく心室へと伝わっていきます。 電気刺激が伝わることで、心臓は収縮を繰り返します。
正常な電気刺激は規則正しいリズムで伝わり、心室が収縮し血液を全身に送ることで、 脈拍として触れることが出来ます。
心房細動

A心房細動とは?

正常では洞結節から電気刺激が出され、規則正しいリズムを刻んでいますが、 心房細動では心房の至るところから電気刺激が生じ、そのうちのどれかが心室 に伝わり心室を興奮させるので、脈拍のリズムがバラバラになります。
心房細動
心房細動
心房細動には困ったことが、大きく分けて2つあります。1つ目は、安静にして いる時でも脈拍が速くなったり(頻脈)、リズムがバラバラになるため、動悸感 や胸の違和感・圧迫感の原因になることです。さらに頻脈がひどくなると 『心不全』になってしまうこともあります。
2つ目は血栓塞栓症という合併症です。心房細動では心房のいろいろな部分が勝手に ケイレンのような動きをするので、心房内に血流の乱れ(血液のよどみ)から、 血の塊(血栓)が出来やすく、 これが何かの拍子に左心室に流れていくと、左心室から大動脈を経て、全身へ飛んで いってしまうのです。
特に血栓でつまりやすいのは、脳や心臓の血管で、脳の血管がつまれば 『脳梗塞』、心臓の血管がつまれば 『心筋梗塞』になってしまいます。
一般的に心房細動を放置した場合には、1年間に約5%の患者さんが脳梗塞になってしまう ことがわかっており、同じ年齢で心房細動のない人に比べて約5倍も脳梗塞になりやすい とされております。
以上のように、心房細動そのものがすぐに命を奪うような不整脈ではありませんが、 自覚症状があっても症状がなくても脳梗塞をはじめとする『 血栓塞栓症』や『心不全』を引き起こし、 患者さんの生活の質(QOL)を低下させるため、何らかの手段を講じる必要があると考えられます。

B心房細動の抗血栓療法

心房細動になると心房はケイレン状態となり、心房の内部に血液のよどみが生じ、 血栓が生じやすくなります。こうした血栓による恐ろしい脳梗塞や心筋梗塞などの 合併症を防ぐために心房細動に対しては血液をサラサラにするお薬(通常、ワーファリン) の服用、つまり血栓の発生を抑える治療(=抗血栓療法)が行われます。

C心房細動の薬物療法

心房細動の薬物療法には大きく分けて2つの治療があります。
1つ目は心房細動自体を止める効果はないものの脈が速くなり過ぎないように調節する薬です。 心拍数をちょうどいい速さに調節することで動悸感や胸の違和感がなくなり、 心房細動であることを忘れさせてくれます。しかし、心房細動であることには変わりなく、 動悸感が完全に消失しないケースがあったり、 全身に血液を送り出す作用が正常な脈に比べて弱くなるといった欠点があるのも事実です。
2つ目は心房細動を停止させ、乱れのない規則的なリズムに戻そうとする薬です。 しかし、現状ではこの抗不整脈薬の威力は十分とは言えず心房細動が再発する確率も低く ありません。

こうした薬物療法には限界があることもあり、 心房細動に対するカテーテルアブレーションが注目される背景となっています。

Dカテーテルアブレーション治療

【アブレーションの原理と方法】
カテーテルアブレーションとは、血管から細い管(カテーテル)を心臓に入れて、 高周波を出し、それにより発生する熱により不整脈の原因となっている 電気回路を切ってしまう方法です。しかし、心房細動はその原因となる電気回路が はっきりしないためカテーテルアブレーションによる治療が出来ませんでした。 1998年になって心房細動を発生させる刺激の多くが左心房に付いている4本の肺静脈 という血管から発生していることがわかり、『肺静脈隔離アブレーション』が考案 されました。これは、肺静脈で生じた異常刺激を心房に伝わらないようにしようと いう考え方です。
【アブレーションの手技の流れ】
  1. カテーテルを挿入する部位に局所麻酔の注射をします。 多くの場合、足の付け根と首の2ヶ所です。
  2. 麻酔をした部位から静脈血管内にカテーテルを挿入し、 心臓へと進めていきます。カテーテルは3〜6本程度使用します。
  3. 足の付け根の静脈は右心房へ通じていますが、治療目標の肺静脈は 左心房にあるため、右心房と左心房のあいだにある壁に細い針を刺して、 カテーテルを左心房内に挿入します。(※右心房と左心房のあいだの壁には 痛みを感じる神経がないので苦痛はありません。)
  4. 左心房にカテーテルが入ったら、肺静脈に造影剤を注入し撮影しながら、 どこをアブレーションするか検討します。
  5. 以上の準備が終わったら、アブレーション治療に入ります。
  6. アブレーションによる肺静脈隔離が完成したら、わざと心臓に電気刺激を 加えたり、不整脈がおきやすくなる薬を使用して治療が出来ているか確認します。
  7. 肺静脈および心房細動の基質となる部分の隔離が確認できたら カテーテルを抜いて、手術は終了です。
心房細動
心房中隔穿刺法

心房細動

Eアブレーションによる効果と合併症

心房細動
肺静脈隔離アブレーションの成功率ですが、施設や方法によって異なるものの、 おおむね70〜90%程度と報告されています。
アブレーションの目的は、心房細動の発作を起こしにくくすることですが、 時に再発することもあり2回以上のアブレーションを必要とすることがあります。
アブレーション後は薬物療法を併用し発作状況の経過みながら、内服薬を調節していきます。 肺静脈隔離アブレーションを行うことで心房細動の発作率を減らし、合併症である 血栓塞栓症 心不全を起こしにくくすることがもっとも重要であり、最大の目的です。
ただし、心房細動に対するアブレーション自体の合併症があることも事実です。
心タンポナーデや脳梗塞、またカテーテルを血管に穿刺することによって生じる可能性の ある仮性動脈瘤や動静脈瘤などです。
したがって、それぞれの治療法についての利点と起こりうる不利益を理解した上で、 主治医と相談して治療法を適切に選択しましょう。
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